Agentic-coding diary: September
(先月)
ようやく Pro モデルの新しいのが降ってきた。コードを書かせる分には Flash でも十分だなと思う一方、調査やデバッグでは賢さを感じる瞬間がある。
最近、アプリの新しいバージョンだと特定の設定でアプリの起動が数十ミリ秒遅くなるという問題がおきた。Pro 氏に丸投げしたところ渡しておいた起動時間測定テストを green/red のバイナリで実行し、収集された perfetto trace をクエリし、コードや最近のコミットを参照しつつ原因を特定してきた(あってた)。そして直してくれといったら直してきた。アプリとライブラリにまたがる複層的な問題を一歩一歩直していくので感心する。コードは気に入らないので手直しさせたが、ドメイン固有のむずかしいデバッグができる人間中年スキルすらもはや無価値と思い知る。
コード書き: アプリ部門が使っているカメラのライブラリ、あるときから monorepo を卒業して Jetpack に行きますねーとかいって触りづらい Gerrit Land に引っ越してしまったので面倒になりコードを触らずにいた。しかし先の問題を直すために触る必要があり、面倒くせー・・・と思ったあとふと Pro 氏にやらせてみたらつつがなくこなしてくれた。たのもしー。不慣れなコードベースは監督が甘くスロップしがちだが、これはどうだったかな…(一個未解決コメントがついている。あなたのレビュー待たずにマージしちゃってごめんね…)
デバッグもコード書きもドメイン知識がないと正しい情報・コンテクストを渡せないので現状はまだ仕事があるけれど、残ったのはコンテクストを渡すお仕事だけ(あとは仕事選びだが、バグ直しは選ぶ余地が無い)。Claude 利用者の皆様が春先頃に感じていたと思われる気分を追体験している。周回遅れとはいえまだ脱落してない。エーアイ部門の高給取りたちがんばった。
コンテクストという意味では問題を再現したり定量化したりするテスト環境を整備してエーアイが hill crimb できるようにしてあげるのは大事。アプリ方面はこの分野でサーバサイドに後れを取りがちだが、今回は「起動レイテンシ」という成熟したメトリクスが相手だったのでうまくいった。
Loop Engineering:
Argon の登場でやる気を取り戻し勤務先ツールでのやり方を調べたところ Antigravity の LSP を叩くことでコマンドラインから既存のスレッド(agent) に割り込んだり新しいスレッドを作ったりできることがわかった。そこで「レビューの返事があったら寝ているスレッドを起こして作業を続行させる」というスキルをつくり動かしておくことにした。Loop Engineering 101 という風情。無いよりはちょっと便利。そういえば LSP 以前にレビューツールの返事を待つ CLI コマンドが存在したのも決め手となった。この手の CLI はすごい勢いで整理されてきており、時代の勢いはすごいですね。
Issue tracker で仕事がアサインされたら勝手にスレッドを作るのが 102 なのだろうけれど、やってない。今のところ必要性を感じていないというか、スロップを撒き散らす懸念から遠慮している。ガードレイルどうするとか考えることがいくつかあるので、次に気分が盛り上がったときにでもやります。できれば個人よりはインフラとして提供してほしいけどね。勝手にやるなら人間にアサインする必要ないはずなので。
最近の仕事の面白さは主にエーアイという流行り物をさわる新規性と同時代性に集約されている。仕事は、そのための題材を提供してくれる問題集。仕事そのものの面白さ、プログラミングの面白さは、時代の狂騒にかき消されてしまった。
でもエーアイにわたす適度に複雑な問題があるのは仕事のおかげだし、エーアイが活躍している最前線を体験できるのはプログラマという職種のおかげ。なので appreciation はある。あといちおうエーアイ開発元の末端なので token budget が潤沢なのもありがたい。もっとも自分の使い方の範囲だと常識的なテック企業の予算で全然足りそうな気はしている。maxxing するにはもうちょっとやる気や難しい問題が必要。どちらも足りて無い。