Work Log on Google Docs

自分が仕事をするにあたり使っている Work Log の様子をなんとなく文書化する試み。留意事項: 書き出す過程でなにか発見があったらいいなという意図であり、別に他人に勧めるようなものではない。特段仕事が得意な人間でもないのよ。

いわゆる仕事 work log / journal の必要性は色々な人が説いており、ツールも古くは Changelog Memo (さすがに古すぎる) から Emacs Org Mode (これも古いな) まで色々ある。(発見1: 最近の work log アプリについて自分は何も知らないすぎるのでは?)

自分は仕事での work log に Google Docs を使っている。セキュリティの決まりを守るために選んだだけで特別良いものというつもりもないが、運用次第ではそこそこ使える: 特に sync が壊れずきちんと動くのが良い。職場のデスクトップ、ラップトップ、家の WFH 環境とシームレスに行き来できる。あと最低限の WYSIWYG フォーマッティングもある。Markdown とかさ、かったるいのですよね。

やりかた

  • 一日単位でエントリー (heading) をつくる。この doc はできれば一年、少なくとも四半期くらいは使い続ける長いテキストになる。

Routines

  • 一日のエントリにはまず Routine というチェックリストのセクションがある。 (最近は Google Docs でもチェックリストくらいはできます。) 仕事をはじめるとき毎日やる作業が列挙されている。機械的なものから、少し頭を使うものまで:

  • 機械的なもの: タブの GC
    ブラウザの、レギュラーでないタブを閉じる。失いたくないリンクは閉じる前に work log からリンクしておく。最近は Chromebox (ChromeOS Desktop) を使っているので、GC を兼ね再起動することも多い。
  • 機械的なもの: カレンダーイベントのコピー
    ミーティングの予定などを時間つきで書き写す。
    自分は通知を無視しがちなので、継続的に眺める work log に書いておく。
  • 機械的なもの : 開くべきページやウィンドウを開く
    ターミナル、Workstation の Remote desktop, エディタ、カレンダー、メールなど。ウィンドウ単位で列挙している。Mac とかなら自動化できそうだけど、Chromebook はそのへん支援がないので手動。
  • 作業: コードレビュー
    この手のサボりがち・忘れがちな作業もリストにいれておく。
  • 作業: 計画
    一日のタスクを書き出す。次節参照。
  • 時間つき作業: メール
    朝にやりがちだが時間と精神力を浪費するメール読みは、昼にやることをリマンドすべく "1200: Mail" と書ておく。

  • この Routine セクションは前日分をコピーのち uncheck する。
    ここで snippets を挿入したりできないのはダサいが、そういうものです。日々少しずつチューニングしやすいのはコピペの利点。App Script による自動化は、保守が面倒だし遅いのでおすすめしない。

Tasks

  • 次のセクションは Tasks のチェックリスト.
  • 朝の作業の一環として今日やることを書き出す。カレンダーイベントもここに並べる。
  • 前日の残り作業をそのままコピーはしない。改めて選び直す。コピペすると無限に増えていくので。
  • 作業は、なるべく issue tracker に登録されている方がよい。issue tracker にエントリのあるタスクは、リンクをリストする。
  • Issue tracker にない、ちょっとした事務作業などはテキストで書いておく。
  • 作業中にサブタスクなどが発生したら、チェックリストに子リストを書き足していく。

Logs

  • 計画が終わったら作業開始。その作業記録をつけるのが3つ目の Logs セクション。
  • ここが Work "Log" の本体のはずだが、自分はふだんあまりマメには記録をつけていない。怠惰さゆえ・・・。
  • かわりに、このセクションは様々な資料へのリンクを記録するリンク置き場になっている。自分は何日もタブを開きっぱなしにはしないので、必要なリンクはこの work log に残している。タブは自分には心労なのだよね。
  • デバッグなど認知負荷が高い作業をするときは、積極的にログを書く。
  • ソースコードやログなどを貼り付けるのはおすすめしない。いちおう code block はサポートされているけれど、ノートを眺める時にかさばって邪魔なので。かわりに Gist なり何なりに貼り付けてリンクする。

Tomorrow

  • 終業時は、Tomorrow セクションをつくって作業途中の状況など翌日へのメッセージを残す。
  • よくやり忘れるが、週末をはさむ金曜はなるべくやるようにしている。

Tips

  • Pageless mode を使う。今はこれがデフォルトだと思うけど、何かのはずみで paged になっていたら page setting で直す。
  • ページのフォーマット(フォントサイズなど)は好みになるように調整する。たとえば、自分は等幅フォントを選んでいる。一日に何度も眺めるテキストなので、少しは調整してよい。
  • 今日の日付は @today で入力できる。
  • TabCopy Chrome Extension を使う。タブで開いているページのタイトルを使った rich text のリンクを生成できるので、issue tracker やドキュメンテーションなどのリンクを Work log に集約していくのに便利。
  • Work log の tab は pin して見失わないようにする。また、ページは bookmark して Omnibox (address bar) のサーチから確実にアクセスできるようにしておく。
  • テキストが巨大になりすぎると再描画が遅くなる。描画の問題を感じたら新しい docs に引っ越すとよい。Bookmark しなおしを忘れない。

感想

Google Docs による work log は、形を変えながらかれこれ 7-8 年は続けている。実際にやってみて思ったこといくつか:

  • これはプロジェクト管理ツール「ではない」。
    そういうのは issue tracker とかにやらせ、Work Log は一日分のスナップショットを手元においておくのに使う。プロジェクト管理ツールも今日の作業を表示する機能があったりするが、自分で選んで並べるというレビュープロセスに意味がある。
  • フォーマットはツールに適応する。
    総体でみると Notion などと比べ Google Docs はイマイチだが、Work log 目的では Docs のイマイチさは目立ちにくい、というか、ツールの弱点を補う使い方へとだんだん変化している: 長いテキストを編集し、ページの間の往復をしない。ブラウザの中にいる利点を活かしリンクはたくさん使う。コピペしやすいセクションわけなど。つまり Notion などで work log を運用するならそれぞれのツールにあわせた別のやり方があるのだろう。
  • リンク集約は不十分。
    Work log にリンクを集約し、毎朝ブラウザのタブを GC できるのは認知負荷が下がって良い。ただし、リンクの集約はもっとマシな方法がある気がする。テキストを search/skim して必要なリンクを拾い出すのはやや億劫。リンクしわすれもよくある。改善の余地あり。
  • 時系列記録: できてない。
    Work log といいつつ、一日の作業の時系列な記録をさぼりがち。作業しているウィンドウのとなりに常に Work log のウィンドウがあればいいんだけれど、Chrome も Chromebook もそういうファンシーな windowing はサポートしていないのだった。ただ作業の目立った進捗などは issue tracker に残したほうが良いことも多いので、Work log への集約にあまりこだわらなくてもとは思う。

改善のアイデア

  • リンクの集約は日割りで flow-oriented な work log ではなく、独立した stock-oriented なテキストに切り出すといいのかもしれない。ただし flow 的にとりあえずダンプしておく場所として work log は一定程度機能してはいる。「リンクの整理」という作業をなんとか first class citizen にできないものか。(もし頑張る価値があるものなら。)
  • Work log ウィンドウと実際に作業をしている場所の往復を速やかにしたい。keyboard shortcut の習熟が必要なのだろうか。


ところで、これを書くきっかけは家の余暇活動にも work log(?) が欲しいけどどんなツールが良いだろうと考えたことだった。今のところの結論としては・・・ Docs でいいんじゃない?「で」いい、というのは消極的だけど、ツール探しで無駄に時間を溶かしている間に何もないのは困るので、まずは Docs ではじめて気が向いた時に代替品を探すくらいかな。無料だし。

しいていえば様々なノートが Notion にあるのでリンクを貼るのがちょっと面倒かもしれない。が、まあそのくらいはやりなさいということで。