Spinach Forest

日本人はアメリカのどこに住んでいるのか

家賃高すぎベイエリアのからの脱出を夢見る現実逃避活動。今回は日系人の多く住んでいる地域(county)を探してみる。日系コミュニティの存在は必ずしも住環境を決める最重要ファクターではない。とはいえ子供の日本語教育とか日本食材の調達、あと英語の不自由な我々が人間関係を構築する上でもまあまあ重要。しかし、たとえば住宅価格などの誰もが気にする要素に比べ世の中に定量的な解説が少ない。仕方ないので 2020 の US Census を眺めてみたい。

Census は API があるので、適当にみつけたサンプルを参考に EDA する。この記事には画像だけを張り付けているが、対話的につつける地図と表も作ったので興味のある人はこのノートブックをどうぞ(ロードには時間がかかります)。

なお以下に張り付けたプロットの大半からは Hawaii と Alaska を省略した。そのへんに引っ越す気はないので。Hawaii めちゃ日系人多いんだけどね。

日系人の多い Counties

LA + Bay Area (+ Seattle) が突出しているせいで他が色褪せ識別できないため、そのへんのメジャーどころを外すべく日系人人口が二万人以下の county に絞って彩色しなおす:

引き続き CA および WA が強いが、それ以外にも:

要するに CA 付近や大都市には日本人も沢山住んでいる。まあそうですね。ただし東海岸は人口の割に少ない印象。

一旦地図を離れ、 日系人人口 top 50 counties を bar chart にしてみよう. State ごとに色を変えてある。

LA County の突出ぶりがよくわかる。巨大都市。隣接する Orange County もひきづられて二位。SoCal は人がいっぱい住んでいる。

なお参考までに Hawaii を含めた top25 をプロットしてみると、LA すらもぶっちぎる圧倒的存在感がよくわかる。(赤が HI, 橙が CA.) 面積の違いを考えると桁違い。

日系密度の濃い Counties

LA など人口の多い都市では都市自体の規模に比例して日系人人口も増えるだろうから、必ずしも強いコミュニティがあるとは限らないのではないか。そこで総人口に占める日系人の割合 = 日系密度をプロットしてみる:

やや雰囲気が変わり・・・

内陸部にある高密度を眺めてみると、大半は county の人口が少なすぎるためのノイズだった。たとえば Fallon County, Montana は 1% を超える日系人密度を持つことになっているが、そもそも county の人口が 3000 人しかいない。日系人も 30 人。

そんな中 Putnam County, Indiana は 1.5% / 550 人とそこそこの規模がある。検索してみると自動車メーカーが居を構えているらしい。引っ越し先としての適性はさておき興味深い発見だった。

10 万人以上を擁する大きな county だけを残してフィルタしてみると:

あまり面白くない結果となった。つまり、CA と WA など西側が強くて、五大湖周辺と東海岸にもちょっとある、くらい。人口ベースで眺めてわかった以上の発見はない。

結論

基本的に日系人の多く住むエリアはどこも High CoL である。したがって家賃を下げようと思うなら SoCal/NoCal/Seattle のような日系人の多さは諦め、数千人から一万人規模の日系コミュニティを受け入れるのが現実的に見える。まあそのくらい住んでいれば日系食材店の一軒くらいあるでしょ。日系じゃなくて Asian Groceries でもいいよ。あるいは、日系人が多く QoL の高い county 自体ではなく、その近隣で CoL の下がるオプションがないか探すこともできるかもしれない。

もっというと、他の指標で住みよい medium CoL の地域を探したうえで、こうした日系 geo data は補助的な指標にするくらいがよさそうである。

備考