Remote And Vegan

Bill Gates が「俺はもうチーズバーガーはやめたわ」と書いていた影響もあり、食事から動物性の材料を減らせないかと時折考え、断続的に試している。

各種の plant based 代替食材も試した。Milk, Cheese, Chicken Nuggets, Ground Beef. こういうのは悪くはないが、制限されている感は否めない。

これはベイエリアで日本食材スーパーに言って感じる残念さに似ているかもしれない。悪くはないが、本質的に制限されている。それよりは Safeway なり TJ なり、そのへんのスーパーで買える材料で、アメリカっぽい料理を作ったほうが良い。材料は安く、豊富である。バター多すぎだが。日本ぽい食事はアクセント程度にしておく・・・というほど制限してはないけど、アメリカっぽい飯の割合はだいぶ増えた。

同様に、動物性食材を減らそうと思ったら代替食品でがんばるよりも Vegan レシピを覚えたほうがいいなと考え直し、Vegan Recipe の YTer をランダムに何人かフォローしてみた。もうちょっと増やしたい。Vegan Recipe 勢、基本的に alternative ingredients は使わない。野菜と豆で生きている。植物性の材料から旨味やコクを最大化するノウハウを追求している。

日本飯からアメリカ飯へのシフトにせよ動物性から植物性へのシフトにせよ、それまでと同じ料理を代替材料で作ろうとするよりは作る料理そのものを置き換えたほうがストレスが少ないし、探求の楽しみも増える。

これはパンデミック突入にともなうリモートワークへのシフトの時に感じた印象と似ている。つまり in-person のアクティビティを、そのままオンラインに持っていくのはしんどい。

いちばんわかりやすいのはミーティングで、今は zoom fatigue と呼ばれるに至った。ただ個人的には in-person のミーティングそんなに好きでなかったし、パンデミック前から違うオフィスのひととは VC だったので、いきなり制限された気はしていない。まあ 1-1 とかは in-person の方がいいといえばいいかもしれない。


より滑稽・・・というと悪意があるみたいだけれど、うまくいかないと感じたのは "virtual" team building event みたいなやつで、これはほんとうにしんどい。物理的に近接することで深まる bonding が欠落している。McPlant 的な空虚さがある。

ずっと感じるのは all hands や tgif のような発表主体のイベントのリモートとの相性の悪さ。おそらく主催者・登壇側は拍手喝采されるアゲ感が名残惜しくて無意識にこのフォーマットを支持、維持しているんだろうけど、視聴者からすると発表やアナウンスを伝えるメディアとしてこのフォーマットは疑問。

自分の勤務先はでかいので、この手のイベントに実際に足を運ぶことは随分前からなくなっていた。基本的には録画を見る。そもそもオフィスが離れていたら足を運びようがないわけだし。これらがライブ開催される意義は、歴史的にはリアルタイムで参加者から質問に答えられるからだった。けれど地域格差を解消するために、今は事前にオンラインで質問を募っている。視聴にとってライブ開催の意味は、もはやない。

発表者が自宅からライブ・録画していたパンデミックピーク時は更に厳しくて、たとえばさ、社長とか VP とかがすごい立派な部屋を背景に話をした直後に下々が狭いベッドルームやごちゃっとしたリビングとかを背景に登場したりするわけ。はー我々ザコキャラはカネ持ってる資本階級にコキ使われてんだなーと冷めた気分になってしまう。現実には社長や VP が狭ーい部屋から登場したらその方が夢がなくてイヤなのだが、そういう格差は普段から目にしたいものではない。会社の建物はチームの一体感というファンタジーを維持する装置として機能しているのである。幻想重要。

なんの話だっけ。そうそう、発表の類。これは、きちんと編集したコンテンツとして出すのがいいと思うんだよね。司会もプロを雇う・・・までいかなくても得意な人にやらせてさ。ついでにいうと、情報量を考えると動画じゃなくて音声でいいね。Podcast にしてほしい。その方が編集の手間と効果の費用対効果も高いでしょう。新機能の発表とかもさ、一人で話させるんじゃなくてインタビューにしてあげるわけ。それがリモート時代の broadcast というものじゃないか。

自分のいるチームでは、あるとき有志が思い立って「同僚をインタビューする Podcast」を初めて、これがすごくよかった。同僚といってもランダムに選ぶのではなく主要な、つまりエラ目、存在感高めの人が中心。内容は仕事寄りでなくその人の生い立ちとかそういうパーソナルな話が中心。物理的な近接が担保していたある種の intimacy を、録音されたメディアを通じ人となりを知るという intellectual exposure で置き換える。リモートファーストの team building かくあるべきな見本として額に入れて飾りたいくらい。

いちおう勤務先全体を擁護しておくと、たとえば会社の動向を伝える newsletter みたいなやつは存在していて、毎日届く。これは良い。会社全体に限らず、組織がでかくなると、この手の newsletter は様々なレイヤで発生する。基本的にはレイヤが下になるほど仕事の具体的な内容に近くなる。そういう written communication があるのは良い。もっと普遍的になればいいのにと思う。


個人的には、特に組織の雰囲気とか文化みたいのを形成するのには、リモートであってもテキストに固執する必要はないと思っていて、だからこそ internal podcast は良いと思ったのだった。動画はどうかというと、本来は色々やる余地はあるはずだが Remote Techtalk とか、やっぱりいまいちだよね。もうちょっと YouTube / TikTok / Instagram とかなんでもいいけど動画メディアというものを研究して工夫して欲しい。動画は音声より production cost が高いのは事実なので、そこは会社が支援して上げるのが良いと思う。スタジオ作るとか、機材手当を出すとか。

Automattic や 37signals はテキスト世代の remote first 企業だった。パンデミック以降の若い remote first 企業がどうやって社内でコミュニケートしているのかは興味があるね。