Pushkin Industries

Pushkin Industries: Podcast & Audiobook Production Company

Malcolm Gladwell が WW2 の東京大空襲について書いた本 Bomber Mafia を Audible で聞いたらめちゃ編集されたコンテンツで、背景音楽、効果音からインタビューまで入っている。NPR の番組かという勢い。あとがき(?)によると、audiobook first で作られたコンテンツらしい。まず audiobook を作り それをもとに活字バージョンを「翻訳した」と言っている。

Malcolm Gladwell は "Revisionist History" という podcast (面白いです。おすすめ。)が大成功を収めたのでオーディオ路線に舵を切り、2018 年に audio コンテンツの制作会社を作っていた。それが Pushkin. Bomber Mafia もここから出版されている。

Pushkin のサイトを眺めていると、既にいくつもの audiobooks が陳列されている。権利を買い取っただけっぽいものも多いが、新しく作られたものもある。興味深い点として、これらの audiobook は Pushkin のサイトで購入することができる。金を払うと podcast player が読める RSS のリンクが付与されるらしい。従来の audiobook 売りは Audible や Play Books のようにアプリが紐づいているか、Pragmatic Bookshelf のような MP3 販売だった。そこに Dithering などメンバーシップ制 podcast のような RSS 売りを取り入れた。新しい。

これは、正しいね。MP3 をダウンロードして聞くのは超絶かったるいし、アプリに紐づけると場所代をとられる。なお Pushkin にしろ Pragmatic Bookshelf にしろ Audible でもコンテンツを売っている。でも著者の取り分を増やしてあげたいならサイトで買ってあげたほうが良い。代替が MP3 だと Audible に手間賃を払った方がいい気がしてしまうが、RSS ならサイトで買ってやってもいいと思える。

Pushkin は Audiobook の他に Podcast も作っている・・・っていうか Revisionist History 新シーズン出てるじゃん!まったく気づいてなかった!しばらく聴くものがたくさんできたぞ。ホクホク。Pushkin+ という membership で ad-free にできるらしいけど、まあ Ads ありでいいです。RH 以外にもまあまあ興味深そうなのがあるので、あとで聞いてみたい。


ところで Bomber Manifa はどうだったかというと、まあ、それなりに面白かったです。爆撃された側の国で反戦思想を叩き込まれ育った身として B29 とナパーム弾が Project X 的に語られる爆撃した側の視点に立つ行為、なんとも An American Moment. 5 時間くらいと短めなので、なんとなく聴くものを探している人には娯楽としてそれなりにお勧めです。

そうそう、Pushkin native のコンテンツはだいたい 5 時間くらいで、短めなのもよい。ノンフィクションの Audiobook で 10 時間を切るのは稀で、The Great Influenza とか 20 時間くらいある。ジョギングしながら一カ月同じ話を聞き続けるのは厳しい。一週間くらいでおわる 5 時間は個人的にはちょうどよい長さだと思う。書店での厚さを気にしなくてよい Audio/Digital-Native な利点を生かしている。Attention span が短くなった人類に適応したともいえる。