Spinach Forest

音楽視聴日記

あるとき YT Music のレコメンデーションに勧められて聴いた Ginger という曲、聴いた途端「わー東京ネイティブおしゃれ女子〜!!」と郊外在住中年わたくし感銘を受け、それ以来しばらく TOMOO を聴いている。他の曲も悪くないけど結局この Ginger が一番いいなあ・・・と YouTube をひやかしていたら 六年前のビデオがあり, 「ぜっっっったい有名になるこの人」というコメントに like が集まっているのをみつけほっこりしてしまった。

最近はアニソンをタイアップするなど人気を博しているらしい。みな良い曲ではあるけれどエンディングテーマとかどうしても J-POP メインストリームのメソメソシナシナした方向性に走りがち。冒頭の Ginger のような東京ネイティブ万能オシャレ感も忘れずに頑張ってほしい。田舎に住んでるとな、オシャレがないのじゃよ。ワシも昔は広尾に住んでオシャレを愛でたものじゃからな(築四十年木造 1K だったが)・・・。

TOMOO は別にアイドル出身というわけではないシンガーソングライターにも関わらず容姿端麗で美人さが人気を助けている一方、メソシナアイドル的楽曲を求める圧になっているんじゃないかと余計な心配をしてしまう。

冷静に考えるとむしろ東京オシャレ路線こそ試行錯誤の一貫にすぎず感傷過多が素である可能性もあるなか、これは我ながらいかにもアメリカリベラルに染まった考えだと思う。

米国リベラリズムはその栄華の頂点に向かう 2010 年代、外見にもとづく偏見からの解放を突き進めた。Body positivity influencer というサブカルチャーまである。

音楽に目を向けると、この体型フリーダム主義の代表選手の一人は歌手の Meghan Trainor だとされている。Meghan Trainor 自身は「ぽっちゃり」くらいで必ずしも体型フリーダムをベタ踏みとは言えないが、歌がいい。デビュー曲の All About That Bass からして Yeah, my momma, she told me, “Don’t worry about your size” とか歌ってるわけですよ。これだけでなく Me Too, Made You Look, Title, NO など Meghan の曲は多くは圧倒的自己肯定感と楽観に溢れている。こういう曲が登場し成功できたのは、アメリカリベラリズムによる「解放」の結果といえるのではないか。

そんな米国リベラリズムも最近は完全失速。それを(テックの世界で)端的に表しているのが去年 6 月の DHH のブログ記事 “The beauty of ideals” だろう。それリンクしてる広告が出たリベラル全盛 2020 にキャンセル覚悟で言ったらロックだったけど、いまどき DEI backlash に波乗りされてもなあ・・・と鼻白んでしまう。 (コミュニティの反応は “The Ruby community has a DHH problem” という記事によくまとまっていますので、もうちょっと踏み込んだ意見が欲しい人はそちらをどうぞ。)

Meghan Trainor にしても、最近はすっかりシュっとなってしまい反発を買ったり している。

これも時代だなと思う。アメリカにおける体型フリーダムの崩壊はリベラルの凋落というより糖尿病痩せ薬 GLP-1/Ozempic の発明によるところが多いと見られているが、こうした現象の同時性こそが時代の流れの象徴だよね。

アメリカリベラル、最近は全く存在感ないしろくでもないことも多かったのは反省してほしいけど、成し遂げたことも色々あるのでそれは大事にしてほしいと定期的に思う。Meghan Trainor の突き抜けた自己肯定感、かなり好きなんだよね。自分の娘もカルフォルニアの風に乗ってあのくらい突き抜けてほしい気がしている。それはそれとして TOMOO はもっと city pop 歌ってください。


追記: 最近は一部男子の間で LooksMaxxing が流行っているという podcast を聴いた: Inside Men’s Obsession Online With ‘Looksmaxxing’ - The New York Times

新聞社の podcast がこんな Reddit Slung みたいのを解説してると真顔になってしまう。