Spinach Forest

Nov 12, 2025 21:11

Android Developers Blog: Android developer verification: Early access starts now as we continue to build with your feedback

少し前に sideload を署名必須にする と発表し大反発を買っていた Android, 条件付きで sideload を許す方向に方向転換すると発表したらしい。その方向がなんなのかはこの記事からはよくわからないが、Apple の Scare Screen みたいなものになるのだろうか。

去年くらいから Android/AOSP はオープンソース愛好家である自分のやる気を削ぐような発表を続けてきた。

この2つは、残念ではあるがエンジニアリング的な決断として理解できる部分もあった。

非公開ブランチで新バージョンを開発すると同時に公開 AOSP にもコミットできるという事実はパッチのマージ戦略やリファクタリングを激しく複雑にしており Android のリリース頻度改善を邪魔していた。この two-way merge をやめるのは、オープンソースプロジェクトの AOSP にとっては害かもしれないが非公開ブランチの開発者にとっては改善と見ることもできた。じっさい、この変更にともない 非公開 Android のブランチ戦略は大幅に簡略化された。

Pixel の blob がなくなるのも、新しい開発中の SoC と発売済 SoC のドライバを、従来のようにコピペフォークで使い捨てるのをやめコードベースを共通化した結果、未発売 SoC の非公開情報をバイナリから隠すのが難しくなったのかもしれないなと想像できる。8 以降の Pixel は 7 年サポートする と決めた対価だと思えば、AOSP Mod 勢はともかくカネを払って電話を買ってくれたユーザ的には一定程度納得できるのではないか。

これは憶測であって、本当の理由は誰にも知るよしはない。それでも上記二点は落胆しつつもギリギリ我慢できると個人的には感じていた。(自分は雇用バイアスがあるので、世の中の人が我慢できないと言っても不当とは思わない。)

そんな自分にとっても、アプリの署名必須化はスリーストライクアウトの gut feeling があった。やはり本当の動機は知りようがなく、強欲から政府の圧力まで陰謀論が渦巻いているが。ただ自分にとってもはや動機はどうでもよく、そんな不自由でダサい環境には付き合えねーわと匙を投げたくなった。エンドユーザとしてではなく、プログラマとして。

エンドユーザとしては、電話機というのは不自由なデバイスだという事実を受け入れ使い続けることはできる。昔のガラケーはもっと不自由で、それでも使っていたのだから。

ただプログラマとしてスキルやコードを積み重ねたい気持ちは失せた。iOS プログラマじゃなくて Android プログラマやってるの、別に Objective-C が嫌いだったとか雇用の都合とかだけじゃないんですよ。いちおう微かにでもオープンソースに隣接していたいからなんだよ。

自分が職業 Android アプリプログラマである事実はもはや変えられない。だから仕事として Android 関係の開発をするのは、会社員としてカネを稼ぐために受け入れている。ただ余暇・課外活動で Android するのはナシにしようと、署名必須化のアナウンスを見て考えていた。プログラマとしての自分を大きく毀損するそんな判断を強いられるのは本当に悲しかったが、スリーストライクアウトは無視できなかった。

そんな致命的判断が見直される。嬉しいニュースである。ただ実際にどんな形で決着するのかは実装を見ないとわからないので、デザートの神様に祈りを捧げながら成り行きを見届けたい。