CarMax 体験記
CarMax で中古車を買った個人的な記録。
CarMax について
CarMax は US 最大手の中古車販売業者で、創業 30 年くらい。あちこちに店があるだけでなく、各支店の在庫を一括しオンラインで眺め、気になる車を取り寄せて試乗・購入することができる。
取り寄せは一定の距離を超えると有料で、イメージとしては 1 時間以内のドライブでいける範囲なら無料、2-3 時間だと $100 くらい、隣の州だと $300 くらい、東海岸だと $2000 くらい。取り寄せにカネがかかるぶん、取り寄せた車を買う義務はない。
中古車の価格は、特別安くはない。市場価格にあわせて半自動的に値段を決めていると思われる。これは CarGurus というディーラーの中古車串刺し検索サイトで眺める価格とは風情が異なる。ディーラーは時々雑な値付けがある。バラツキがある。CarMax はばらつきがない。掘り出し物も、無駄に高いものもない。
またディーラーと異なり、値段に交渉の余地がないとされている (no haggle pricing)。あとオプションの押し売りとかもない。唯一あるオプションは Max Care という故障保険だが、別にプッシュしてはこない。オプションにかぎらず営業の押しがゼロ。その後腐れのなさを好む人も多いという (Reddit 情報)。
競合としては先に書いた CarGurus のようなディーラー串刺しサイト、オンライン専科の Carvana などがある。自分はディーラーで買うかったるさを避けたかったで CarGurus はパスし、オンラインで眺めるだけで実物チェックや試乗のない(※返品は無料) Carvana の futuristic approach に踏み切る勇気もなかったので、老舗最大手 CarMax に落ち着いた。
経緯
車の買い替えを決めたのは、それまでに乗っていた車の調子が悪くなり、乗り続けるのに不安があったため。十年前に買った日本車で走行距離も 100k mile 程度なので丁寧に乗っていればもう倍くらい行けるはずだが、さぼらずメンテに行く丁寧さが足りなかったと反省している。
慣れもあるため同じメーカーの同じ車種 (Subaru Crosstrek) を考えていたが、一回り大きいのも検討しようということになった。
車種を決めるため、まずディーラーにいって新車の該当モデルをいくつか試乗した。結果、一回り大きいモデル (Subaru Forester) を買うことにした。ただ値段が高すぎるように感じたので、節約のため中古を探すことにした。
一方でアグレッシブな節約をする気もなく、数年以内の製造で mile も浅いものを探した。CarMax は、そうした検索は得意。アカウントを作って Saved search を設定し、毎日あわられる車を眺めた。
いくつか候補を絞り、主要な車ユーザである妻に brief し、近くの CarMax 店舗にある在庫者を試乗することにした。この車は値段が少し割安に見えたが、試乗に言ってみると社内に血痕っぽいシミをふくむ汚れが目立ったので見送った。
またしばらく眺め、今度は近隣の店舗にある車に目をつけて取り寄せた(有料)。試乗に行き、今回は特に汚れもなく、それ以外の要素(たとえばエンジンの状態など)を判断するスキルもないので、購入した。現行の車は trade-in した。探し始めてから一ヶ月弱での購入となった。
細かい補足
- 試乗を申し込むと翌日くらいに確認の電話がかかってくる。でなくてもオンラインで confirm しておけば問題なさそうだが、別に upsell とかないので出てもいいんじゃないでしょうか。
- 試乗は「15分くらいで帰ってきてね」といわれる。自分たちは 15 分くらいで帰りはしたが、そのあと車を眺めながら 30 分くらいモタモタやっていた。特に急かされることはなかった。
- 試乗以前の、在庫を眺め座席に座ってみたりするだけなら、店員に煩わされずセルフサービスで在庫駐車場内を歩き回れる。子供は Porche に乗って喜んでいた。壊すなよ。
- 購入は、意思表示から受取まで二時間半くらいかかった。平日午後。ほとんどが州に向けた paperwork の待ち時間。DMV の登録はぜんぶやってくれる。保険は自分で切り替える必要がある。なお必要な手続きを事前にオンラインで済ませる express checkout というのを使うと店頭の時間は 30 分程度で済むらしいが、事前に購入意思を示す必要がある(はず)。
- 支払いは check を使えた。ただし口座の残高を電話のアプリの画面で見せる必要があった。なお Debit card も使えるが、事前に銀行に電話して高額引き落としをブロックされないよう言付ける必要があるとのこと。
- 故障の保険 Max Care はつけなかった。高いのと、修理には CarMax の店舗に出向く必要があり、うちから近くなく不便なため。
- 手数料は安い($100-200 程度)。消費税が高い(7.5%)。普段は気にしてないが、高額出費の際はすこしウッとなる。
- Trade-in の価格は、ディーラーと CarMax で一割弱のズレがあった。CarMax の方が高く売れた。買わずに売るだけも可。逆に trade-in 優遇はない。
- 一見お買い得に見える車は、マイルや製造年度といった定量化可能なファクター以外に問題を抱えている傾向がある。(内装の汚れ、傷、匂いなど)。そういう車はなかなか売れず、スペック相応の値段でデビューするも段々と値段が下がっていく。
- 売れずに市場に残っている年数は、CarMax は開示していないが CarGurus のサイトには表示されている。
- 一方 CarMax には "like 数" の表示があり、これは本来は射幸を煽るためについているはずだが、実際には市場滞在時間の proxy になっている。時間がたつほど like を蓄積しがちなので。
- EV は検討しなかった。充電器がないので。Hybrid も検討しなかった。なお CarMax にも EV は売っているが、メタデータがガス車特化なので EV 固有の情報で検索できない(走行可能距離とか)。
気分
- 不調な車にはのりたくないが、車を買うこと自体は特に楽しみでもなく単なる高額出費なので、買うまではストレスを感じていた。特別良い deal をしたとは思わないが、買ったあとは肩の荷が下りてストレスが下がった。
- CarMax にせよ CarGurus にせよ中古市場はランダムで次々と新しい(新車という意味ではなく、最近市場に出てきた)車が登場するので、スロットマシン味があった。つい毎日サイトを見てしまうが、それがストレスを助長していた。
- 自分たちは外装の色、マイル、あと一部オプションに条件を持っており、あと現行車への不安もあり気が急いていた。結果として条件を満たすも必要以上に高い trim の車を買うことになった。条件にフレキシブルなら、つまり色、マイル、オプションへの縛りが少なかったり、長い間待ち続けることができるなら、より望ましい deal を引き当てることができたと思う。根気がなくて残念。
- 車自体は不満ナシだけど、はやいとこ一回 inspection したい。