Spinach Forest

Book: The Simple Path to Wealth

The Simple Path to Wealth: Your road map to financial independence and a rich, free life

https://www.amazon.com/Simple-Path-Wealth-financial-independence/dp/1533667926


最近何冊かカネの本を読んだ。その感想。なお自分の金融リテラシーは高くない。

この本は Mr. Money Mustache という老舗の FIRE blog にあった推薦図書リストから選んだ一冊。中身は Vanguard で US 株のインデクスファンドを全力で買え、具体的には VTSAX を買え、引退したら二割は Vanguard の債権のインデクスにしろという話だった。

節税のための年金まわりのチップスとかもあるけれど、基本は Vanguard 全力推しの書である。色々小細工なしで Vanguard だけ買えばいいから "Simple" という主張。Vanguard の良さは各所で議論されており実際 US 最大の mutual fund なわけだが、ここまで一冊通して熱烈にプッシュされるとたじろぐ。しかし一定程度説得力もある。

Vanguard はさておき、その他の点で印象的だったのは「現役の間は債権は不要」という態度。

「株が怖い」というのはアメリカ人にとっても一定程度存在する感情らしく、著者は「それはインフレのリスクをデフレのリスクに差し替えているだけだ」と説得する。それはわかる。しかし続いて「経済が日本みたいに四半世紀不景気なままだ、なんて心配をしても仕方ないだろ?」と言われると、不景気の国から来た身としては戸惑ってしまう。

じっさい自分はいわゆる robo advisor を使いながら債権の割合を高く設定している。そのせいでここ 10 年くらいの US 株の成長には乗りそびれている。株式市場を信じられていない。それにしても債権下がり過ぎだろうという悲しみはあるね・・・。

不景気育ちの心理

日本育ちの自分がアメリカの金銭的な常識に適応できていないせいで判断を歪めていることは色々ありそうだ。この本は Vanguard 以前にそのギャップを照らし出した。

ギャップはあるなと常々感じてはいたけれど整理したことはなかったので、自分の中にある気がする US 金銭感 (or facts) との自分の直感のギャップを書き出してみる。情強の皆様はご笑覧ください。


こうした認知のズレは早い段階で意識的に正していくべきだったが、子供が生まれて忙しくなり、そこにコロナがきて完全に記憶が失われ、気がつくと 10 年くらい経っていた。自分の financial prospect を正しく把握できておらず、結果としてイマイチな判断をいくつもしたと思う。

今はギャップを補正できたかというと・・・少しはできたかもしれないけど、まだまだ染み付いているね。ギャップがあるとわかっていても、古い常識が抜けず新しい現実を受け入れられない。呪いが解けない。

まあ、できる範囲でできることをしていきます。