Book: The Next Millionaire Next Door
The Next Millionaire Next Door: Enduring Strategies for Building Wealth
The Millionaire Next Door という古い本の改版、のつもりが著者が事故死してしまい、息子が遺志を引き継いでかきあげた曰くつきの本。2018 年。
「誤解されがちな Millionaire の実態にデータから迫る」という触れ込みなので社会学っぽい本かと思いきや、めちゃ personal finance の本だった。もっというと FIRE の本だった。若いうちからインデクスを買えというところは他と同じだが、カネを無駄遣いするなと力説しているところが投資に特化した書籍たちと大きく異なる。亡くなった著者の Thomas J. Stanley は Stop Acting Rich という本も書いているので、そういう方向性の人々なのです。
Digital Glitter
本書では人々が無駄にカネを使いがちなものを glitter と呼び名指ししている。具体的には(デカい)家、クルマ、時計、衣類、外食、リゾートなどが挙げられている。
自分はこうしたものにはあまりカネを使っていないが、一方でこのリストは前時代的だなとも思う。現代の発達した消費主義社会ではもっと多様化した巻き上げスキーム(語弊あり)がある。というかさ、全然デジタルガジェット系がないのおかしくね?我々そういうので浪費してるわけじゃん?
というわけで現代の浪費, digital glitter について考えてみる:
- 画面つき計算機の仲間たち: パソコン、電話機、電話、タブレット、時計、その他の周辺機器 aka 「エコシステム」用品
- 「スマート」なあれこれ。家電、照明、体重計などなど・・・。
- サブスクリプション全般。メディアからアプリから何から何まで最近は subscription. 世界を pay-walls が取り囲み、推しにお布施をする時代。
- デジタル投機 aka in-app purchase / DLC
- カメラに代表される高額趣味用品
こういうのが現代の浪費、digital glitter ではないか。家とかクルマとかわかりやすいのにばかり気を取られてはいけないと思いました。特にコンテンツのような純デジタル商品は従来の物理コンテンツに比べると安いとされているが、量を積み重ねても目に見えないので浪費しがちな面はあると思う。
ところで Millionair 志望者がみな古典的にもデジタルにも無駄遣いをせずインデクスを買うようになると経済活動のボリュームは大丈夫なのかね。アメリカの強い内需は、結局のところこういう浪費に支えられているわけじゃん?資本主義の底力によってそう簡単には節約させねーからなという自負があるのかもしれないが、自分のように coumser-oriented products + ads で給料が支払われている身としては国民総倹約というアイデアに警戒してしまう。
すごいステレオタイプの偏見を白状すると、日本とかそういう総倹約国家だとおもうのだよね民族性的に。もうちょっと人々がうっかりカネを使わないと景気回復しなそうだな、とアメリカの超物質消費主義に染まった目には映ってしまう。
がそんな国家動向はおいといて、最近は我ながら悪い消費色に染まってきた嫌いがあるので、我が出自を振り返って倹約していきたいと思います。