写本
日常の雑談とは別に、文書を書くスキルも少しは高めたいなという気持ちから、唐突に適当な英文を書き写す写本作業を二日くらいしてみたが、ぜんぜんなんの手応えもないので中断。同じ失敗を何年か前にもした気がする。数年後にまた過ちを繰り返さないため書き留めておく。
写本作業とは、英文をセンテンス単位・・・だとだいたい長過ぎるのでコンマ単位くらいで、見て、覚えて、書き写す。PC だと単語単位で書き写してしまいそうなので、手書きでやっている。テキストは印刷しておく。ある程度長い文章を覚えようとすることで、文の構造とかを頭にエンコードするスキルを増す期待がある。
写本が良いかもしれないなと思ったのは、基本的にはスピーキングの定番練習である shadowing からの連想だった。が、効果のありそうな感じがなかった。進みが遅すぎてトレーニングとしての圧が弱いのと、あとやはり進みが遅すぎて文章のリズムみたいのが完全に消えてしまう。
もちろん、何らかの効果はあるとは思う。文単位で書き写し、採点(?)すると、冠詞とか細かい時制の間違いとかには気付ける。続ければこうしたミクロな間違いは減らせそうな気がする。ただ、こういうのは最近だと Grammarly なり GDocs のチェックが直してくれる程度のものなので、訓練しがいがない。
単純な文法よりはもう少し粒度のある文章の筋の良さみたいのを体に覚えさせたいとなると書き写しよりはスピードが欲しい。 Audible で shadowing でもすればいいのだろうか。むしろ普通にテキストを音読すればいいのかもしれない。音読は、やりすぎると読速を落とすクセがついてしまいそうで抵抗がなくもないが、試してみて良い気がする。
一歩さがって、自分が改善したい writing はどんなものなのかと考える。と、まず design doc. あとは proposal. そういうお仕事文の類である。オンラインの文章、今回は The Electric Typewriter というサイトから適当に選んだ Malcolm Gladwell の文章だったが、そういうのが書けるようになりたいわけではない。そんな高いバーは目指していない。
そういう「面白い文書」に関する含蓄を高めるより、もうちょっとドメイン依存のやつないかな・・・と思ったら Technical Writing | Google Developers というのがあったので、読んでいる。まあまあ良い。このくらいベーシックなやつを読み、何らかの形で実践していくところから始める方が良いな。
このガイドを実践しても面白い文章はまったく書けるようにならないので excitement はないが、別に design doc は面白くなくて良いんです。仕事の proposal とか長めのメールとかも、別に面白くなくて良いんです。そしてこういうの、昔勉強したことあるはずだけど完全に失われているね。ここ数年、ひどい sloppy な文章を書いてきたものだと反省。
練習として、日常の雑談、conversational resume 的なものを technical writing の流儀で書くのはどうか。ドライで楽しくない文章になりそうだが、他に対して題材もないので試して良いかもしれない。まあ日常の雑談に限らず blog に書いているようなことを technical write してみればよい。試してみるべし。