HOMA

向井さんのターンにできた HOMA というプロトコルが最近また LWN に登場していた・・・というか、この記事がきっかけで話題になったのかもしれない。

そのへんからリンクされている記事を冷やかすと Google の Snap というユーザスペースの独自プロトコルが紹介されていた。上の podcast episode で「大企業こういうのやってないんですかねー」「やってたら論文くらいありそうなもんですけどねー」とかいう話をしていたわけだが、論文あったわ。Amazon に至ってはハードウェアまで作ってるし

ユーザランドで実装できるならわざわざカーネルでやらなくても良いのでは・・・という意見は論文中で反論されているが、しょうじき説得力はいまいち。とはいえ TCL/TK を発明した大学の先生が自らばりばり Linux カーネルモジュールを書いているという圧倒的つよつよ感の前に、外野は正座するしかない。経歴から年齢を推定してしまう。

Annapurna Labs

エゴサーチをしていたら:

ということで関連記事を探すとこんなのがあった:

EC2 の特定インスタンスでフラグをたてるとハードウェアアクセラレーションの力で TCP と UDP が自動的に速くなるという新機能。この機能は SRD (Scalable Realiable Datagram) というプロプリエタリなプロトコルの上に作られているらしく、2020 年の論文がリンクされている。

著者を見るとみな Annapurna Labs という子会社の人が書いている。2015 年に Amazon が買収したイスラエルの会社らしい。”Nitro” SoC をはじめ AWS のカスタムシリコン事業(?)を牽引しているもよう。

買収されたチップデザイン会社の活躍といわれて思い出すのが Apple が 2008 年に買った PA Semi. Apple A series の SoC デザインを牽引し、スマホ性能で他社をぶっちぎったことがよく知られている。

Annapurna Labs は Amazon にとっての PA-Semi としてサーバ性能で他社をぶっちぎるのに一役買っている、と言える。

去年 Google Cloud が Intel から VP を引き抜いて SoC をがんばると宣言したニュースがあり、なんなのだろうと思っていた。Annapurna Labs を踏まえるとごく自然な動きなのかもしれない。(注記: わたくし Google 勤務ですが特になんのインサイダー知識もございません。)

こういうハードウェアのスタートアップが活躍なんて「シリコン」バレーだなあ・・・と思いかけたが、P.A Semi (“Palo Alto Semiconductor”) はともかく他はイスラエルなのであっちの方がよっぽど Silicon Valley だね. そして Amazon はシアトルなのだった。ただし Annapurna Lab の創業者はベイエリアにいるらしく、これは Lab 126 などの Amazon ハードウェア部門がそのへんにあるからだろうと思われる。