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On Private Writing #1: How To Take Smart Notes

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(目次)

この長い話を書こうと思ったきっかけの How to Take Smart Notes という本を軽く紹介する。この本は note taking 業界で流行っている Zettelkasten という note taking method を紹介した本。Zettelkasten というのは細かい細部は色々あるがだいたい以下のほうな方法である。

まず 書捨てノート (fleeting notes) をとる: これは頭に浮かんだことをパッと書捨てておく場所である。考え事で気が散らないようにするために中身の質とかは気にせず、ぱっと書いておく。後で整理する。昔読んだゼロ秒思考という本でやってることに近い。

次に読書記録 (literature notes) をとる。読んだものと、その中身のうち自分にとって重要だったアイデアなどを書き留めておく。いわゆる「要約」はせず、記録するものは自分にとっての重要性にもとづき厳選する。世の中のカジュアルな人は Twitter やブックマークサービス、本気度の高い人は Evernote とかでやってそうな内容。著者は書誌管理サービスの Zetero を勧めている。

そして最後に保存用ノート (permanent notes) をとる: これは、表面的には Wiki のようなものである。一つのページに一つのアイデアを書き、そのアイデアの間を何らかの方法で hyperlink する。最近はやっている Wiki-like note taking app (Roam Research, Obsidian など) は、この permanent notes に使う想定がある。このノートは

先の fleeting notes や literature notes は permanents notes の肥やしである。イメージとしては GTD の inbox に近い。定期的に fleeting notes / literature notes をレビューし permanents notes として整理する。整理したら fleeting notes は捨てて良い。逆に見ると、Literature notes で記録に残すにはあとで permanent notes に記録したいようなアイデアである。

Writing Is the Only Thing That Matters

では Permanent Notes に記録を残したい「関心事」とは何か。というと、最終的な自分のアウトプットだという。そして著者が想定しているアウトプットは論文とか書籍。つまりこの "Smart Notes" はアカデミアや作家のためのツールなのだった。

論文や書籍を書く時、白紙から始めるのは既に負けてると著者はいう。そうではなく、基本的には permanent notes の書き溜めをリニアに再構成することで論文なり書籍なりの最終的な文章を書く。ノートに基づいて最終的な成果物を書くという大原則がある。

逆に言うと permanent notes は、そういう目的を意識して書くものである。つまり、そのうち書くかもしれない論文なり書籍の断片になっている。だからある程度ちゃんとした文章で書くことが期待されている。

こうした執筆活動は one-way の waterfall ではなくもっと iterative なプロセスになる。断片から一撃でバーンと書き上げるのではなく、書いているうちに疑問が湧いたりなんだりしたらまた note taking 活動、というか調査や研究フェーズに戻る。そして材料が揃ったらまた続ける。だから論文にせよ書籍にせよ、複数のプロジェクトが並列して進むことが期待されている。書いているうちに詰まるのは普通で、そういう書きかけを何本も持っておき、徐々に育てていく。日常は、そうやって好奇心を探求し探索を続けることで進んでいく。アカデミアっぽい話だなー。

Is Writing What Matters?

これを読んで、自分はちょっと拍子抜けだった。別にじぶんはアカデミアでも作家でもない。What matters な仕事というか professional な成果は、基本的にはソフトウェアである。まあ blog とか各種業務 writing もあるので書き物は完全な他人事ではないが、他にも色々ある。あと私生活もある。素の Zettelkasten は writing の外側にある自分の仕事や暮らしを直接に助けてはくれない。個人的には GTD が役に立つくらい使える note taking method を期待していただけに、やや残念。アカデミアにしたってたとえば CS のアカデミアだったらコード書いたりアルゴリズム書いたりして実験とかするとおもうんだけど、そういうのもいまいちフィットしなそうに見える。偏見に満ちた書き方をするとあまりにも文系っぽいというか。

一方でいくつか興味深い点もある:

こういう自分の疑問に自分で答えようとしてみるのがこのシリーズです。つづく。