Spinach Forest

June, 2019

/ Fragment #12   / Fragment #11   / On Hybrid Research   / More On 20-Percent   / Stepping Out From The Mess   / Composability   / 手段の為替レート   / Diplomatic Coding   / Fragement #9   / Fragment #8   / ... 

Fragment #12

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日曜日

  • 04:11. 自ら時差ボケを活かし早起き。まだスタバ空いてない...
    • 滑舌がよくないというフィードバックを見かけ、それは自覚してなんとかしたいが何もしてなかったのでどうにかならないものか・・・と考える。ちょっとトレーニングとかしたほうがいいのだろうか。
    • お手紙送付業。
  • Preschool 開始に向けて朝晩の時間割を考え、厳しさに気を引き締める。子のいる朝や晩というのは忙しいものなのでしょう・・・。

土曜日

  • 二日続けて娘氏朝四時起きで父の自習タイム消失。時差ボケはやくなおってくれつらい・・・。
  • 昼寝の合間を縫って podcast 編集。喋りすぎたせいで長い・・・。
  • Done.

木曜日

  • 今日は帰国日。朝早いフライトなので五時半には宿を出る必要があり、四時半にアラームをセットしたが三時半に目が覚めたのでダラダラ日記かいたりしてる。
  • パリ人口 2M, vs. NY 8M, 東京 9M か(汎用ウェブ検索調べ)。
  • Joining AWS - Kazu's Log - AWS でコンテナでオープンソース! 時代の最前線。しかしもともと Alexa やってたらしいのでどのみち最前線なのだった。やりたい仕事が選べるくらい仕事できると楽しかろうな。まあ他人を羨んでも仕方なし。
  • 帰国。子供も我々もがんばった。CDG 空港がダメなのか United がダメなのかわからんが、かなり余裕をもって行動したにも関わらずあまり余裕のない到着となった。SFO そんなに好きじゃないが CDG よりはマシ。
  • 都会の発達した鉄道網を頼る電車ぐらしが優れているのは理屈としてはわかるが、田舎のクルマ暮らしはそれはそれでラクな面もある。子供を運ぶとかね・・・。
  • 眠い。今ねると時差ボケ悪化の恐れなので日記を書くなどして意識を繋ぎ止めている。妻子は昼寝に突入したまま。

水曜日

  • オペラ座再挑戦。Auditorium はリハをやってて見れなかったが他のところは見られた。オペラ好きのゆこっぷ(奥様)は満足していた模様。
  • その後駅のパン屋で昼飯を買い込み Tuileries Garden へ。エッフェル塔が見える。ボート遊びをする。フランスサブカル的には重要な行事らしい。そして相変わらずパンがうまい。
  • 隣接する遊園地エリアに子供が吸引されてしまったためちょっと遊び、それから撤収。
  • 外食する気力なくふたたび deli 飯。ゆこっぷ(奥様)は観劇へ。自分と子は留守番。フランス好きだと色々観光しがいがあるようで頼もしい。自分は基本的には無事生還することしか考えてないからね。
  • そういえば Zurich もパリもパンに挟まってるハムはアメリカのように盛られていない。やはりこれらの国においてサンドイッチはパンを食べるものである。しかしアメリカ人にとっては肉を食べるものである。だからパンが不味いんだな。

火曜日

  • 歌舞伎町的エリアではあるが(だからこそ?)、朝は静か。(部屋の窓から通りを見下しながら。)
  • Google Map は Map だけでなく経路の検索結果も offline cache してほしいなあ。on device でも検索できるけどオンラインで検索したのを持ってく方がマシなこともあるじゃん?
  • ゆこっぷ(奥様)の Google Fi が快適そうで羨ましい。自分は Google Voice の番号を mess するのが嫌で T-mobile を使い続けているのだが、そろそろ魂を売る潮時だろうか。いまいち Fi の持続性を信じられていない自分。世間の評判は前向きっぽいが。
  • オペラ座の見学・・・にいくと臨時休業。
  • 宿から数駅のところにある遊園地へ。緑が多い、平和な感じのアトラクションを集めたのどかな遊園地でとてもよかった。平和な感じのアトラクションの乗り物に幾つか乗ったのち、売店でサンドイッチを食べ(また無駄においしい)、構内を走る短い電車にのって、子が寝たところで撤収。半年分くらいのだっこバジェットを使った気がする。
  • 電車で数駅いくだけでいいかんじの広い公園があるこのかんじ、やはり新宿。
  • 子が目を覚ましたところで laundromat を求め宿から散歩。ついでに夕食。コメを食べたいと子が言うので中華。割とうまかった。Paris の食費は Zurichよりはだいぶ安い(サンプル数 1)。
  • カフェで息抜き、のはずが四方を喫煙者に囲まれ喘息持ち恐怖体験に豹変。発作は起きずに乗り切れたが厳しい。フランスの喘息持ちは人生辛そうね。クレープはうまかった。

月曜日

  • 今日から親戚一族の庇護を離れパリに移動。旅行本番。結局スイスフランはキャッシュを持たずホストの助けで乗り切らせてもらったが、さすがにユーロはゲットせんとな。
  • TGV で四時間かけてパリ到着。TGV, 静かだけど車内はボロし。子は寝ていた。
  • オペラ座、新宿三丁目みたいだな、とおもっていたらホテルは歌舞伎町みたいなエリアの中だった。
  • 両替いちおうできたが、やはり次からは出発前にやろうと反省。ほんとは ATM で下ろせるのが一番いいんだけど両替商しか見当たらず。いつものうかつ税ではある。
  • 子連れで外食する気力なく、スーパーで deli を買って晩飯。ブルーベリーを量り売りしている。チーズがうまい。ヨーグルトもうまい。スイスもフランスも乳製品が美味しいのがよい。

Fragment #11

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日曜日

  • 早起きしたはいいが歯を磨く音で宿泊先の子を起こしてしまい、子が親を起こしてしまい、ホストの安眠を損ねてしまう。ごめん・・・。
  • 昼間の alertness を強制される結果、三泊目にして完全に時差ボケが治った。
  • 真夏日 (36 Celsius). 近所の公営プール+湖につれていってもらう。さすがに混み合っていたが小奇麗でいいところだった。そして治安が良い。
  • 晩飯にお好み焼きを作る。なんか小麦粉が違うかんじだな・・・。とおもったら強力粉しかないという記事が。なるほど。アメリカの all purpose は強力粉ほどグルテンない。デフォルトの違いは重要。なおキャベツ在庫がなかったため白菜。
    • 最後は白菜在庫も切れたのでネギ焼きをつくったら案外美味かった。うちでもやろう。

土曜日

  • 電車で郊外の古い街、の町並みが残る観光地に連れて行ってもらう。ヨーロッパ来るたびさすが歴史あるなーしかも戦争で燃えてないし石造りだから腐らないし、と思う。
  • スーパーで適当に買って齧るサンドイッチのパンが普通にうまい。チーズもうまい。
  • 宿泊先の子ら、むかし自分の子が生まれる前に会ったときは底なしにワガママだな・・・と思っていたが、いざ我が子とリアルタイムで比べてみたら割と想定の範囲だった。(我が子もなかなかのものであるため。)
  • 自分たちの子育てはゆこっぷ(奥様)のクリエイティビティや辛抱強さといった得難き力によって賄われているなと appreciation を高めずにはおれない。
    • などよその子供を終日眺めていると色々発見があるね。
  • スーパーマーケットにつれていってもらう。パンが全部うまそう。そして加工肉の種類が異常に多い。チーズも多い。移動前にもう一回くらい加工肉のサンドイッチたべたいなー(もう二回食べたが)。
  •  毎日晩飯をご馳走になっているのでせめてもと食器洗浄機くらい回すか・・・と動かしてみると、超静かでびびる。日本の食洗機は静かだと思っていたが、アメリカのアパートのやつがうるさすぎるだけじゃん。持ち家勢の食洗機はこのくらい静かなのだろうか。もううるさいの慣れたからいいけど。
    • 泊めてもらっている家が超高級物件である可能性は否定できない。
  • 親たちが翌日のプランを寝るあいだ子らに pepper pig の動画を見せていたが、釘付けぶりがやばい。暗い部屋でプロジェクタを使っていたせいもあるかもだが、やはりこの磁力はねえわ、と動画への認識を確認。まあ大人たちもしばしば同程度に釘付けられているので子への影響だけを議論するのはフェアではない。

金曜日

  • ヨーロッパ、砂漠から熱波が来ております。暑い。
  • 飛行機内安眠の対価として子は夜中 3 時まで寝付かずグズってゆこっぷ(奥様)疲弊。
    • 自分は自分とて時差ボケでほぼ寝られず。
  • Zurich 市内を案内してもらう。ソーセージとかパンがうまい。カフェで昼飯を食べると寿司か!みたいな値段で戦慄。外食代、うちの近所も相当高いと思うが更に五割くらい高い。(おまえはカフェの五割増しみたいな寿司を食っているのかというと、イエスであります。)
  • 都会は治安よさそうだし住宅街も(泊めてもらってる家が高級住宅街にあるという事実を差し引いてもなお)奇麗だし、自分が普段住んでいる場所が如何に荒野でアメリカが如何に後進先進国かを思い出させられる。

木曜日

  • 夜の便に乗り、夕方にスイス到着。夜間フライトなおかげで子は驚くほどよく寝てくれてラクだった。
  • 今日から四泊くらい親戚(義理の弟)の家に泊めてもらう。他所の家族を泊められる部屋があるという事実がすごい。

水曜日

  • 05:15 引き続き荷造り。
    • ほぼ済。
  • 会社のラップトップを旅行に持っていくか悩んだが、今朝メールを覗くとさっそく不穏なメールが来ていたのでそっとじ・・・はせずそいつらには返事。いちおうスーツケースの底のほうに入れとくか。なお電話機はなし。
  • 旅行前、荷物リストだけでなく事前にやることリストというのが必要。今回は荷物リストにマージしてみた。
  • Google Maps, オフラインマップ候補の suggestion を Trips の情報から持ってきてくれた・・・らしいが Trips おわってしまうとどうなるん?
  • 子の間食摂取等に手間取り家を出るのが 45 分遅れ、通勤ラッシュに巻き込まれ所要時間が 15 分余計にかかり、チェックインカウンタも混んでおり、手荷物チェックにひっかかり、ゲートについたのが搭乗開始 15 分前。きびしい。教訓: 間食は車内が空港で。

火曜日

  • 05:20 荷造りしないと。
    • Amazon で頼んだ荷造り関係要因のパッケージ、一つ紛失で一つ遅延。まったく届かない。我ながら慣れないことはするもんじゃないぜ・・・。
    • ウェブ検索大手とオンラインショッピング大手における近年の体感品質の低下に感じる共時性・・・。(追記: 紛失分は発見された)
    • いまできる範囲ではだいたい done.
  • 子持ちにともなう旅行荷造りの変化
    • 機内持ち込み完結は不可能。諦める。
    • 自分の暇つぶし不要。薄い雑誌一冊がせいぜい。音声コンテンツ類はまず不要。
      • 一方で子どもの暇つぶしは必要。絵本から動画まで・・・。
    • などなどスーツケースの隙間は子ども用品で埋まる。その荷物いらなくね、とは言いにくい。(トラブル時の苦労が多いため。)
    • ゆこっぷ(奥様)が超絶 meticulous なので救われているのが現実。
  • kzys を見習って note.mu でも冷やかしてみるか・・・と試すも辛い。あとで書く。
  • Hangouts, Do-not-disturb を突破する設定が効かずどうにも不便なのでとりあえず SMS を使おうと提案。今更 SMS とかねーわだが・・・。
  • 妻子気分転換のため昼食に来たる。が、隣に謎の愚痴としょぼい自慢話とロシア人の悪口を大声で続ける謎の racist が座っていたためすっかり ruin されてしまいしょんぼり。この diversity 言論統制空間たる勤務先であからさまかつカジュアルな racism を目にするの、ほとんど surreal.
  • 仕事だいたい片付いた。帰るかな・・・。

月曜日

  • 05:33. 昨日は厳しい一日だった。今朝も昨日済ませられなかった買い物を済まさねば at 近所のスーパー...
    • その近所のスーパーに設置された KeyMe で自宅鍵の複製を試みるも未対応を突き返され途方にくれる。(結局近所の鍵屋で複製。)
    • お手紙送付業でもやります・・・。
  • ゆこっぷ(奥様)朝から病院にいくというので留守番して子供と遊ぼう・・・かとおもったが一人遊びをしていたのでほっといて常備菜拡充。ついでに料理を手伝わせることで食欲増進してほしいハック。
  • ひたすら変更をブランチにチェリーピック。これが終わらんと休暇に入れない。がんばれ自分。今のところおもったよりきわどいマージは少なくて済んでいる。チェリーピックとバグのトリアージはほんと神経使う割に生産的でなくてやりたくない仕事。
    • サクランボよりイチゴ積みたい。というか本物のサクランボを摘みたい。子が種を飲む心配がなくなるまでの我慢。あと二年くらいだろうか。
  • AWS Control Tower | Hacker News

On Hybrid Research

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20パーセント制度がどうこういうのは、一歩下がると企業が新しいものを生み出すためにどうすべきかの議論である。20パーセントは下々や現場の人からも新しいものが生まれるといいですねという話だった。このコインの裏に、新しいことを考えるのが仕事の人は現場に出たほうが良いですねという話がある。勤務先のリサーチ部門のトップ(当時)は、それを主張する Hybrid Approach To Research という記事を書いている。すごい雑にいうと、いわゆる研究者も製品開発に突っ込みましょうみたいな話。しばしば「象牙の塔」などと揶揄されがちな大企業研究所モデルのステレオタイプに対するカウンターとなっている。

論文書きや標準化といったリサーチっぽい仕事と製品開発の近接は自分の勤務先での体験と一貫しているし、機能もしている。伝統的な研究所モデルとの優劣は自分には議論できないが、少なくとも研究者たちが専門分野の知識にもとづいて書いた実製品のコードは差別化の要素になっているし、逆にばりばりコード書いたり標準化にクビつっこんだりしているエース級がその成果を論文にまとめ、世間に注目されたりもしている。

ある日の夕方、リサーチと部門が持っているコードをちょっと直す必要があったのでパッチのレビューを送ると「ごめんごめん今オフィスに帰ってきたところだから明日レビューするね」と返事があり、ふーんとおもっていたら数日後に会社のブログで CVPR に論文を通していたことを知る、みたいな出来事があった。学会帰りだったのか。締め切りのある製品コード書きながら締め切りのある論文も書いてるこのひとたち・・・と驚愕した。

CS のエリートがすごいアイデアを考えバリバリとコードを書いて製品につっこんでくる。その様子をずっと横から眺めていた自分は、これこそ勤務先の競争力の源泉だと信じるに至った。その反動で「誰でもイノベーションできる」みたいなファンタジーに白けてしまう面はないでもない。

一方で、エリートが活躍できるのも究極的には個人の自立性を重んじる文化の現れなのだと考えると、エリートが活躍できるためにそういう空気を作り出すのは大切なことで、それに便乗したボンクラがどうでもいいことに時間を使うのはまあ、空気の対価ということでいいんじゃないかという気もしてくる。エリートだけあからさまに差別しちゃうと空気悪くなるし製品開発で協力とかも心理的に盛り上がれないからね。ある程度は優遇した方がいいと思うし、実際されているだろうが。

世界で戦える CS トップエリートがじゃんじゃん成果を出す。下々のボンクラもたまに少しは面白いことをやる。その間くらいのひとは、間くらいの成果を出す。PM やマネージャは適当にその辻褄をあわせる。プログラマ中心のテック企業にはそういう感じでやっていってほしいもんです。

 

More On 20-Percent

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On 20-Percent を読んだ知り合いから反応があった。自分の考えをもう少し整理し、「20パーセント制度」の語りをめぐる自分の中のわだかまりを三つの論点にまとめてみる。

ひとつ目は、勤務先の中の人の語りは盛り過ぎではないかということ。20パーセント制度の成功例としてよく Gmail が引き合いに出される。Gmail はユーザ数が 1B を超える超大成功製品である。そんな成功を生んだ制度ならたしかに自慢の甲斐もある。しかしこの主張の信憑性は薄い。Paul Buchheit はインタビューの中でこう話している:

[Larry] and Wayne Rosing, who was the VP of Engineering at the time, would sit down with engineers and give them projects. When they sat down with me they said, “we want you to build an email something.” That was all the specification I got! So I went off to build something with email, which became Gmail.

自発的でも 20 パーセントでもなく社長直々のフルタイムプロジェクトじゃん?Gmail に限らず、同じ規模の主要製品の中で 20 パーセント制度から生まれたものは無いのではなかろうか。

20 パーセント制度が何も生んでいないとはいわない。いちいち例はあげないけれど、沢山の面白い、良いプロジェクトの起点になったとは思う。でも Gmail が引き合いに出されるたび嘘くさくて白けてしまう。

20 パーセント制度の成功例をいちいち名指ししたくない理由は、ふたつ目の論点と関係がある。これは前に書いたことの繰り返しだが、20パーセント制度はボトムアップで勝手になんかやる文化の現れに過ぎないと自分は信じていて、制度ではなくその文化を大切にしてほしい。

二割とかケチくさいことをいわず、プログラマは自分でやると決めたプロジェクトにフルタイムで取り組むことができる・・・こともある。実力、実績やカルマ、チームの勢い、上司の性格、プロジェクト自体の説得力と野心度、主要製品との相性・・・こうした変数によって、獲得できる自立性には大きなばらつきがある。でも当事者たるプログラマが「こういうのがあるといいと思うのでやります」と言い出し、上司などが「そんじゃよろしく」とプロジェクトが始まる(あるいは上司に黙ってこっそり始まる)のはそこそこ普通の現象。Gmail の逸話にしたって、上司がいってきたのは「メール関係でなんかやってよ」だけだから勝手にやったと Buchheit はいう。このマネジメントの雑さ、当事者の自由度は勤務先に対する自分の文化的イメージと合致するし、大企業になった今も面影を残していると思う。

別の例: Chrome の話。Chrome をはじめたのは Ben Goodger や Darin Fisher といった Mozilla 出身者だが、彼らは別に Chrome をつくるためではなく Firefox に検索っぽい機能を入れるために雇われた。けれどしばらく働くうちに結局ブラウザが作りたくなり、上司に「ブラウザやります」といったら「やろうやろう」と盛り上がりプロジェクトが始まったと言い伝えられている・・・というか件の上司が他の部門に異動する際の小さな集まりで当人から聞いたのでここで言い伝えさせていただきます。つまり Chrome は少なくとも当初は戦略的製品とかではなく、当事者が自発的に始めたフルタイムのプロジェクトである。大小様々な規模のプロジェクトが似たような感じではじまり、様々な成功(や失敗)を収めたことは想像に難くないし、実際いくつも目にしている。

各人が実力や実績に相応しい自立性を持てる。そして「実力や実績」には必ずしも組織上の権力が伴う必要はない。そうした自立性を当然のものとみなす空気がある。制度としてすべての社員に最低限の自立性を与える20パーセントより、自分は雑さの空気を信じている。

空気は繊細なものだから、環境の変化に晒され失われることもあるだろう。だからこそ単純な制度に卑小化されたくない。「制度としての自由」と「上司にいわれたことをやる」の間にある豊穣をわかりやすいストーリーで握りつぶさないでほしい。

みっつ目は完全に個人的な話。自分は、少なくともある時期まではかなり高い autonomy budget を与えられていたと思う。勢いのあるチーム、放任主義のマネージャ、外的要因のせいで進みの遅いプロジェクト。妻子なし。本業の外で自分のやりたいことに好きなだけ時間を使える条件が揃っていたし、実際それなりに時間を使っていた。にも関わらず、大した成果は何もなかった。やがてこの autonomy budget をダラダラと浪費する働き方に適応し、非生産的な日々を過ごすようになった。この話は前にも少し書いた

自由を与えられながら何もできなかった現実は自分に都合が悪いので、無意識に色々言い訳したくなる。その一環で20パーセント制度にもケチをつけたくなる。別に自由な文化からイノベーションとか出てないでしょ成功した製品みんな買収でしょ、とかシニカルな態度を取りたくなる。

ボトムアップで自律的な文化に負の側面があるのは事実だと思うけれど、自分がそれを生かせなかったからといって必要以上に否定的になるのは我ながらよくない。

でもインターネットで20パーセント制度の話題をみかけると「なにもできなかった自分」という現実が視界に入り、シニカルさが顔をだしてしまう。愛社精神とシニシズムが関心を求めそれぞれ声を上げる。自意識の病。

この「20パーセント病」が発症したらほんとうは話題から距離を置くのがよいのだろう。それに自分のようなボンクラより、成功譚の当事者から話を聞きたいよねえ。

Stepping Out From The Mess

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職場から持ち帰った仕事での不機嫌が感染して子も不機嫌になる、という vicious cycle が発生した。よろしくない。

帰り道に考え事をするのは生産的ではあるが、仕事で BS が発生した直後だと考え事を通じて腹立ちが長引いてしまう。仕事が BS だった日はむしろ家への帰路で podcast なり audiobook なりを聴いて仕事を detach した方がよいのではないか。仕事以外の考え事するでもいいけれど、題材があるとも限らないし。

一方で仕事から一歩距離を置いて何かを考える、というと大仰だけれども目先のバグから一歩下がって翌日やるべきことを考える、とかは意味があるし、記憶が失われる前、その日のうちにやった方がよい。というわけで仕事というかデスクを終業 30 分前に離れ、よそのオフィスにラップトップを持ち込んでコードから離れて wrap up をしてみる。(コードはデスクトップで書いています。)

終業間際までコードを睨んでいるよりは良い気がする。欠点としては移動のオーバーヘッドがあるのと、このまま家に帰るのでラップトップをもって通勤しなければいけない点。あとなんだかんだで実作業時間が減ってしまうのは若干いまいち。ラップトップは諦め、歩きながらの考え事とおなじく紙のノートを受け入れれば良いのかな。まあ 30 分前 wrap-up 自体は実験的にしばらく続けてみよう。アラームを設定。


ところで先週ことさら BS に腹がたったのは、一つには風邪のせいで二週間くらい課外活動ができていなかったせいもある気がする。気分転換がなかった。Podcast の準備に paper reading とかをしていると、仕事以外のテックな関心事がアクティブになるので仕事が多少ムカついても気を散らせて良い。気が散るのは一般には良くないことだが、BS が目の前にあるときは有効な気がする。仕事の性質上ある程度の BS は避けられないので、課外活動をもっておくのは精神衛生の予防に良さそう。「仕事の他の趣味があるといい」みたいなのってどうでもいいとおもってたけど、働いて稼ぎ続ける必要性を考えるとあながち無視もできない。やれやれ。

Composability

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NN のモデルがアプリのあちこちに色々ありすぎてメモリや CPU を使いまくって厳しい。モデルの実行は自分の与り知らないネイティブコードの奥深くで起こっているのではたして全体でいくつのモデルがあるのかすらわからないが、なかなか現代的な事象を目の当たりにしているとは思う。

アプリの性格上、こうしたモデルの大半は何らの方法で画像を入力として受け取るモデルのはずである。理想的には、アプリに内在するいくつものタスクは入力を共有する multi-head なモデルとして表現され hidden layer などの計算資源を共有すべきだが、たぶんそうなっていない。

これは入力の解像度やモデルの実行頻度の違いなどに起因している面もあるけれど、より本質的には Andrej Karpathy の Software 2.0 や Keras 作者の The future of deep learning が envision しているような未来のプログラミングとしての model composition という世界がまだここには来ていない、という話のような気がする。

モデルを開発しているチームが会社の中の別のところにいるせいでおこる ML 版 Conway's Law という見方もできる一方、伝統的なソフトウェアではチームをまたいでコードが分断されても機能自体は API を通じて共有され同じ計算を何度もやりなおしたりは(そんなには)していない。ML モデルにしても、たとえば segmentation なんかは複数チームの機能をまたいでモデルおよび結果を共有している。つまりモデルの入力という切り口でなく Java なり C++ なりの API というところまで遡れば共有されている。

複数機能やチームをまたいでモデルのアーキテクチャを部分的に共有する、なんて言うは易しだけれどもトレーニングどうするなどを含め自明でないことが多すぎ、自分にはあるべき姿がまったく想像できない。一方でそうしたモデルの統合なしにデバイスの計算資源が要求にあわせスケールすることがあり得ないのもまた明らかなので、この問題は数年以内にどこかの頭のいい人がなんとかするのだろう。それを見届けたい気はする。単にスケールせず AI 機能は頭打ちになりました、おしまい、という可能性もまあまああるが・・・。


あるとき AI っぽい新機能を開発している同僚と話していたら、その機能は実は別のあまり関係なさそうな既存機能のモデルで実現でき、したがって性能上のインパクトほとんどないんだよ、と聞かされてびっくりした。モデル再利用できちゃってる?自分の問題認識が遅れているだけで、結局問題は Conway さんという話なのかなあ。

Martin Fowler が micro models とかいいだすのはいつだろうか。Micro frontends 以上にどうでもいい話になりそうだが・・・。

手段の為替レート

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Getting Things Done であるためには手段を選ぶべきでない、プログラマはなんでもテクノロジで解決しようとするが交渉などで解決した方が良い問題もある、みたいな主張を昔たまに耳にした。今でもそういうことを言う人はいるかもしれない。

これは言い換えると、問題を解決するためのコストを最小化しろという主張だと理解している。ここで主張自体に異論を唱える気はないが、当事者のコストを理解してないなとも思う。

たとえば何らかのインテグレーションを片付けたいとする。インテグレート先に望ましい API が足りていない。コードによる解決策は、たとえば足りない機能を自分で実装する、かもしれない。この作業には 10 コード$かかるとする。 交渉による解決は、たとえばインテグレート先のチームにお願いして API にフラグを足してもらう、かもしれない。この作業には 2 交渉$かかるとする。

「コード$」および「交渉$」は仮想のコスト通貨である。ここでいうコストは所要時間かもしれないし emotional burden かもしれない。交渉の方が速いと考える人は 10コード$ > 2交渉$ と考えているが、これは交渉が得意な人の為替感である。そのひとにとっては、たとえば 1コード$ == 1交渉$ である。一方あるプログラマ、仮に森田と呼んでおく、にとっては 10コード$ = 1交渉$ である。別の言い方をすれば 1 森田$ = 1 コード$ = 0.1 交渉$ である、かもしれない。

コスト通貨の為替レートは個人差が大きい。個人は自分の為替レートに基づいて判断を下す。相手に自分の為替レートを押し付けることはできない。

チームワーク

反論はいくつかありうる。たとえばチームワークという点でコードは高く付くかもしれない。後の保守コストを考えると 1 チーム$ = 2 コード$ = 0.5 交渉$ くらいかもしれない。すると先のインテグレーションはコードを書けば 5 チーム$,  交渉なら 4 チーム$ で片付く。交渉したほうが安い。

頼まれる側からするとチームのために自分の苦手なことをやれという依頼には Principal–agent problem がある。真面目な会社員たるものべつにチートとかはしないけれど、やる気は起きない。もう一つの問題は、チーム総体の能力を判断するのは難しいことなので、そのunreliable judgement に基づいてなされる話には説得力がない。

もっと有り体に言うと、交渉仕事はそういうのが得意な人に頼んでくれやと思う。人手が足りないのはわかるのである程度は協力するけどさ。

スキルポートフォリオ

人手の足りなさに連なる別の主張として、交渉も得意になった方が仕事の幅が広がるし問題解決能力も高まるよ、という反論もある。この主張の正しさはケースバイケースだし、バランスでもある。

交渉、に限らず自分の得意なこと以外が極端に苦手というのは、要するに問題解決の手札が少ないということで、そこには不利がある。仕事にかぎらずなんらかの達成が求められている世界では、原則として達成を重ねるほど評価され、立場がよくなる。結果としてやりたいことがやりやすくなる。なので手札を増やして達成のスループットを増やすのには意味がある。

要するにスキル・アップしてキャリア・アップしましょうね、という話。

一方で、目の前の問題解決に求められているスキルと自分のキャリアに必要だと自分が感じているスキルが一致しないこともよくある。交渉上手になれっていうけど別にそういう組織横断的な仕事をやりたいわけじゃないんで・・・みたいな。目の前の問題解決に最適化した結果マネージャになる事例はよく観測される。それを望んでいるケースもあるので必ずしも悪い話ではないが、それを特段望んでいない身に交渉がんばる気などはない。

そうはいっても、自分のやりたいことと世間の需要が乖離すると金を稼ぐのは難しくなる。そして目の前の問題は、世間の需要を何らかの形で近似している。目の前の仕事の求めを自分の思惑と違うからを退ける不安は強い。

けれどけれど、真の意味で世の中の需要を突き詰めるならプログラマとかやってないで Wall Street の trader なり外資系 consultant なりになった方がよいのでは?プログラマたるもの Knuth 目指して山に籠もって Deep Work でしょう?

これは極論だけれど、スキルポートフォリオを根拠に交渉 $ の強化を求める上司の望みもまたノイズ溢れる市場からのシグナルに過ぎない。そんな視座は失わないほうが良いと思う。目先の仕事が超稼げるので上司の願いを叶えるのは重要、というケースもありうるが・・・(ドラマの中の Wall Street や Hollywood にみられるステレオタイプ。)

などこれといってはっきりした指針があるわけでもないので、問題解決の手段は人の話は聞きつつも最後は自分の胸に聞いて決めましょうという話。

 

Diplomatic Coding

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政治的ということばは曖昧すぎるので嫌いだが、外交的なコードってあるよな。WebKit の仕事をしていたころは毎日そんなのばかりだった。また最近書く羽目になってうんざり。

外交的なコードとは他人の主張にあわせて書くコードのことである。他人のコードにあわせる、では無い点に注意。他人の書いたダサい API に自分にコードを合わせるのは、ここでは外交的に数えない。それを言い出すと一人で閉じないすべてのコードが外交的になってしまう。コードレベルの enforcement ではなく、ミーティングとかで書くことが決まってしまった望ましくないコードを指すことにしておく。

外交的なコードにはいくつかの段階がある。

一番ダメージが少ない外交的コーディングは他人のために自分がコードを書いてあげる、仕事をひきとるケース。仕事は増えるが後腐れはない。

一番ダメージがでかいのは他人の意見によってソフトウェアのデザインが歪められるケース。なおここでいう他人は該当ソフトウェアを書いているチームの外の人という意味で、チームメイトは含まない。チームメイトとデザインの方針が合わず好みのコードを書けないこともあるが、外交よりチームワークの範疇。

他人の「都合」によってコードがダサくなるのは外交的な問題か?他人の都合、たとえばレガシーコードとのつなぎ込み、は解くべき問題の一部だと思うので、外交には数えたくない。外交的コードとは、よりよい解決策があると自分は考えているのに、相手の顔をたてるなどソフトウェアの外の事情で自分のアイデアをひっこめて他人の主張を受け入れるもの。

この間くらいにあるのが、相手の意見によって優先度が変わるケース。それ次のリリースでいいじゃんという作業を、いや早くやるべきなぜなら俺がそう思うから、みたいに押し付けられる。締め切りまで時間がないので corner cutting がおこり、デザインが歪む。


外交的コーディングの必要性は外交それ自体とおなじくはっきりしない: 外交というものの必要性は認めるが、個々の外交的アクションを評価するのは難しい。

外交的コーディングには仕事が増える以外に固有の問題がある。

まずソフトウェアデザインの autonomy が奪われる。Autonomy は人々の労働意欲の核の一つである(って Daniel Pink が言ってた・・・と書くと急に説得力なくなる。)要するに仕事のやり方を指図されるのはムカつく。デザイン全体の integrity も損なわれる。

つぎ。外交的コーディングは rationale を記録するのが難しい。「あのめんどくさい人のいうことに従ったのだよ」なんて design doc や commit log  に書けないじゃん。結果として説得力のないデザインだけが残り、後世の人々は puzzled する。そして書いた人を blame する。俺のせいじゃねえーーと言い返したいが証拠がない。

外交的介入をうけたのがデザインそのものではなく優先度だと事態は殊更不透明になる。たしかにそのデザインを考えたのは我々だが締め切りが無茶だったのだよ・・・みたいな主張は、外交的に作られた一時的で人工的な締め切りの存在を明らかにしてしまうので大っぴらに語りにくく、風化しがち。俺のせいじゃねえーーー!

同様の理由により、外交的コーディングは議論するのも難しい。外交的妥協をしたマネージャはしばしば下々のプログラマから意思決定に噛みつかれる。「偉い人を宥めるためなのだよ」と開き直れるかはマネージャの性格次第でもあるが、外交の性質上単純な honesty が望ましいとも限らない。無理に取り繕って株を下げがち。外交に負けて株が下がるのは仕方ないとして、「外交に弱い」ではなく「話がわからん」とラベルをつけられてしまうマネージャは気の毒。

外交的譲歩は良くないことに思えてくるが、ならばとタカ派になるとそれはそれでどこかの大統領みたいになってしまう。よりよい提案は: きわどい外交的立場にならないよう普段から気をつけましょう。より長期的には外交的露出の少ない立場につきましょう。

Fragement #9

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日曜日

  • 05:36 at Starbucks.
    • 間があくと何してたとか何考えてたとか思い出せない・・・。考えるというのは継続的なプロセスである。
      • とりあえず仕事のことは考える気が起きないのでパス。
      • とりあえずお手紙送付業をするか・・・。
    • Letters サイト微調整。やっといてよかった CI. 手元で push しなくてよい(いいのか?)

土曜日

  • Blueberry U-pick のため Modesto へ。Strawberry U-pick と違い pick する品種をいくつか選べ、実際に味が違うので面白い。Strawberry と比べた Blueberry の値段の高さの一因は人件費だと学ぶ。たくさんとるの大変。U-pick だと合計 3lb ちょっととって $10. 人件費が自分持ちなので安い。

金曜日

  • 05:16. 出遅れたがまあよい。
    • Anthos が何なのかわからない問題に決着をつけるため whitepaper を読む。
    • YAML いいぞという話にコンテナいいぞと同じくらいの字数が費やされている。
    • この資料を総合すると Anthos とは Kubernetes と Istio と YAML ということになるが・・・自分が CIO の器ではないせいできっと何かが読み取れてないのでしょう。
  • Distortion-Free Wide-Angle Portraits on Camera Phones
    • カメラによる顔の歪み補正. SIGGRAPH 通してたのか。すごいね。

木曜日

  • 朝寝。だいぶ体調回復。
  • This is Google’s Pixel 4 - The Verge - 自分でリークしてしまう戦略かよ・・・・。
  • やる気が起きないので音楽きいてがんばろう。

水曜日

  • 体調優れず朝はスキップ。
  • めんどくさい話はオンラインでせず会いに行くべし。というアンチリモートな行動を今日もしてしまったがそれは自分のせいではなく面倒を起こしてる人たちのせいです。構造が問題を産んでいる。(これは言い訳だが、現実問題誰が悪かろうが知ったことではない。)
  • Gcam 勢のやることはいつもまったく正しくてため息・・・。この「まったく正しい」感じ、自分自身ではここ数年感じられていない。あ、倫理的な話じゃなくテクニカルにね。
  • やりたくない仕事をやれと言われてやった結果文句を言われる。はーやりたくねー。前のチームもこれが嫌でやめたのだが、またかという感じ。

火曜日

  • 04:31. 早起きしすぎか... Paper reading.
    • 子が起きてきたので終了 06:29.
  • Final Fantasy VII Remake’s new trailer shows off combat, Tifa, and Sephiroth - The Verge
    • スラムな舞台設定のはずが一部登場人物の肌がスベスベすぎて不気味. しかしそういう uncanny さを楽しめない人はお呼びでない感.
  • Dropbox Updates: Meet the Latest Version - Dropbox
    • アプリ。当然のように Linux 勢はおいてけぼり。Web もたのむ・・・と Dropbox.com にアクセスすると以前より Paper の扱いがよくなっている。
  • 仕事無理目になりつつある・・・が月後半の休暇取得にまったく不安を感じないのが大企業のすばらしさ。
    • 大企業という話だと、9-17 勤務だと良くも悪くも仕事は相対的に割とどうでもよくなる・・・というと語弊があるが、日中 pissed-off でも翌日には元気になれる。やはり過労はよくない。

月曜日

  • 05:15. 体調もだいたい戻ってきたことだし、徐々に日常復帰しないといけない。二週続けて leave-me-alone-weekly-review してないのでそろそろ精神に支障がでてくる。
    • Letters 送付業。
    • メールを出すとスパッと返事がくるひと、相手の生活を ruin していないか心配になるのとすごい立派な人だと頭が下がるのとで、はーとなる。
    • そういえば podcast 編集おわってないのだった... 一つ前のやつも向井さんの旅行出発に間に合わせることができず sigh. 風邪を引くと滞る.
    • 編集おしまい. 06:51.
  • Tupperware: Efficient, reliable cluster management - Facebook Code
    • FB これを OSS にしそこなったのは痛恨であろう. ハードウェアすらオープンにしてるのに.
  • Silicon Valley's Van-Dwellers - Bloomberg
    • RV 生活者、じっさいたくさんいる。しかし RV vs. 持ち家という対決、家賃生活者的には勝手にやってくれやという気分。どちらかというと RV 生活者の肩を持ちたくなるが、向こうからすればこっちくんなと思うであろう。
  • Opinion | Power? No, Thanks, I’m Good - The New York Times
    • アメリカ人、ほんと権力好きだよな・・・。やはり世界征服には民族として権力を渇望してないとダメなのだろう(過剰な一般化。)
  • 組織への期待値は既に底のつもりだったが更に下回ってくるあたり厳しいなー・・・。あと一年半くらいは頑張るつもりだったが、いけるか不安。このうんざりを無視する会社員ライフハックが必要。
  • Organizational boundaries を push するのを億劫がってほっといた問題が締め切り間際に顕著化した・・・辛い・・・。

Fragment #8

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日曜

  • 今年初プール。土曜、日曜でアパートのプールと近所の公園のプール一回ずつ。子は去年より臆病になっておりどうしようとおもったが、ゆこっぷ(奥さん)がうまく遊んであげたらだいぶ慣れたようでよかった。

金曜日

  • 頭痛があるが、喉の痛みは峠を超えた感。
  • Turned to 41. 人生の評価関数書き換えは、終わってはいないが着々と進んでいる.
  • 風邪を引くと意思が弱まって食べ過ぎるが、むしろ胃への負担を減らすため軽く食べるに留める方がいいのではないか(ふつうは食欲が減るので自然とそれがおこります).
  • Help を眺めた結果、基本的な内製コマンドラインツールの引数を間違えていたせいで生産性を損ねていたと気付く。挙動なんかおかしいと思いつつ数ヶ月無視していた。反省。
  • 上司、いろいろプレッシャーをかけて回っているがよっぽど上の方から何か来てるのだろうなと同情。プレッシャーに頼るのはエンジニアリングの敗北だが、負け戦というのものもある。(製品が負け戦という話じゃないよ。)
  • ようやく目先のバグがいなくなった・・・のでやるべきことをしたいがモードが切り替わらん・・・。
  • 心が弱くなると sync が動く Emacs ないかな・・・とか考え出して良くない。お前の魂は GDocs に売却済みなのだよ(仕事中は). もう dot emacs もどこかにいってしまった。せめて Blogger が WordPress くらいまともに動けば代替になるのだが、Automattic は大した会社であると認めざるをえない。
  • 最近チームの誰かがビルド設定をがんばっていじった結果ようやく Streams が使えるようになった。Guava Streams はまだダメなものの、だいぶストレス減。Peer bonus のひとつも贈りたいところだけれどそういう雰囲気のチームじゃないのでそっと感謝しておく。
  • WWDC 2019 - Videos - Apple Developer お、ビデオでてる!しかしこれ見る前に貴様は I/O 見るべきでないの? watch list が必要。
  • 7 absolute truths I unlearned as junior developer
    • こういう偉そうなこといってみたい肩書だけシニアな平社員であった。

木曜日

  • 引き続き夜は不調で寝て直す日々。奥様の不調度が上がってきており不穏。
  • 目先のたいしたことない高速化を検証しろといわれて時間を使っているが、結果として期待値の大きい仕事に手がつけられない優先度の反転がおきている。オンラインで声を荒らげる手段として bug の priority を使うのはやめてほしいが、これはテキストコミュニケーションの副作用とも言える。push back するのもだるい。たぶん push back するのが moral high ground なのだが。こんな moderate slope も登れない自分に moral を語る資格なし。
  • 心を改めて物証を集め、いまこのバグに時間使うのやめようやというノートを書く。こういうときに Kibela/Qiita 的 blog/journal があるといいのだがなー。しかしこの愚痴は言い疲れた
  • SIGGRAPH が来月、と聞くだけで無意味にときめいてウキウキした気持ちになる。プロスポーツのファンがシーズンインを楽しみにするようなものだろうか。
  • 十年以上前に SIGGRAPH 観光で訪れた Boston でサラダバー的な草を売る店に群がるアメリカ人を見てこんな人間にはなりたくないとおもったものですが、そんな人間になってしまった事実を受け入れております。The Sugar Empire に占領された人類はそうした形で resistance を続けるしかないのである。今日も食べすぎた。
  • Waking Up at 4 A.M. Every Day Is the Key to Success. Or to Getting a Cold. - The New York Times
    • ギョっとしたが早起きではなく寝不足がダメという話だった。
  • A New Book Argues That Generic Drugs Are Poisoning Us - The New York Times
    • 海外製 Generic drug は FDA の regulation がまったく機能してなくてやばい、という話を書いた本らしい。Generic かどうか以前に産地の問題に読めるが、Brand の方が失うものがあるぶん真面目にやってる可能性はある。風邪薬みたいに配合がシンプルっぽいやつでもやばいのだろうか・・・。
  • Intermittent Fasting Made My Life Easier, and Happier - The New York Times
    • 流行っている。特に新しい話はなし。

水曜日

火曜日

  • まだ本調子ではないので朝はダラダラ。しかし出勤。
  • 同僚が Q に於ける on-device tracing の重大なバグを発見し、file し、修正された!発見から修正まで所要時間2日!はー dogfood しないとダメだなー・・・。人類に対する貢献という意味で(特定アプリの)バグを直すより(プラットホームの)バグ見つける方が重要なのは、癪ではあるが事実。
  • 一日休んだだけなのに仕事が滞っている・・・仕事忙しくない?
  • http://export.arxiv.org/rss/cs を sub してみる。100 本に一本くらい読むものあればいいなということで。
  • Apple’s Audacity – Stratechery by Ben Thompson
    • Sign in with Apple, アプリに強制するのか。強気。
  • Why We're Relicensing CockroachDB - Cockroach Labs
    • クラウドは OSS の風景を変えている。良くも悪くも。CockroachDB の Business Software License は MariaDB 由来。ありものを持ってくるあたり手堅い。AWS が hosted CockroachDB をはじめたら相当面白かったろうが・・・。
    • クラウド業者はこういう OSS データベースとかを買収すればいいのにという気もするが、それはそれできな臭いのだろうか。
  • Breaking up Big Tech will be really hard to do—here’s why - MIT Technology Review
    • 勤務先はさておき Warren は Hillary と比べだいぶかっこいいので Trump と戦えるかな。
  • Amazon's PR genius — Benedict Evans
    • 悪役でいることの強みについて。
  • Combine | Apple Developer Documentation
    • Android が LiveData を作ってしまったように、Apple は Combine というのを作ってしまったらしい。やっちまったな・・・。
  • Apple 界隈の blog を一個くらい sub しても良い気がしている。何が良いのだろう。Daring Fireball あんまし好きじゃないのだよな。
  • 買収で入ってきた人が他のチームにうつる事例をまたひとつ目撃する。勤務先のインタビュープロセスの不完全さを象徴している気がして好きな瞬間。

月曜日

  • 体調が万全ではないので一回休み。奇しくも WWDC 初日なことだしキーノートでも見るか。
  • kzys が日本語で書いていると会社の悪口とかを言いがちでよくない、というようなことを書いていた。たしかに自分のこのブログもだいぶひどいことになっている。反省してあまりにひどい発言を削除などする。
    • しかし kzys そもそもそんなに Twitter してなくね?とおもって開いてみたらたまに burst でやっているらしい。こうしてみると Fragments も twitter も失言レート的には大差ないのかも。
  • Chrome OS device のアップデートを待っている。"Your system is applying a critical update. Please do not turn it off" とかいってるけど A/B アップデートで一瞬なのではなかったか。何やってるんだろうこれ。
  • WWDC Keynote!
    • 導入動画。去年の批判を踏まえ登場人物を diversity.
    • For all mankind ちょっとおもしろそうじゃん。WWDC 関係ないが関係ない話ヲ入れてくるのは re:invent 以外全部そうなのでやむなし。
    • tvOS, iOS より先にまさかのマルチユーザーサポート!歌詞表示もよいね。
    • XBOX と PS4 のコントローラーサポート!やるじゃん。ゲームはどう対応するの?
    • しかし tvOS のデバイスで 4K 出すとか厳しそうだけど、どういうハードウェアなのだろうね。
    • 時計。Audiobook いいね。電卓・・・なかったのか!
    • Appstore for Apple Watch! ちなみに Play Store for Wear OS は barely usable でした。個人的には良い方針には思えないが Apple Watch 速いからいいのかな?
    • Store はどうでもいいと思うが、総体として Apple Watch の圧勝感は変わらなそう。
    • iOS13. App launch 速いのどういう仕組みなのだろう... 個別のセッションを見るべきか.
    • Swype keyboard まだなかったのか! Music app の歌詞表示いいなあ.
    • Maps, 自分のデータで US カバーするの年内!速い。そして Street View がついた!AR じゃなくて Street View を annotate するのはアリだな。
    • Sign in with Apple! 言われてみればなかったのか。そしてメールアドレスの匿名化は良いね。他も真似しそう。パスワードマネージャとの連携はどうするんだろう。
    • Memoji のデモを Memoji がやるの超イノベーティブでウケる。
    • Video editing! すごい。保存した瞬間にバックグラウンドで処理を始めるのだろうか。
    • Photos app デモのバケーション写真がめちゃ地元ばかりで無駄に親近感。
    • Android が Beam を殺した年に Apple は電話機を近づけて audio sharing する機能をつけた。
    • Nueral TTS. WaveNet みたいなもんか。オンデバイスは偉い。どういうモデルなのか論文書いてくれ。
    • iPadOS!!! えええーーー誰得!? いまいち iOS のアーキテクチャをわかっていないが、これらは OS をフォークしないとできないことなの??それとも別名はマーケティング上の方便で、コードベースを fork するわけじゃないのかな?それとも Marzipan が重要な部分を全部含むようになる結果 デバイスごとの差分が小さくなるのか。謎。
    • 技術的な詳細はさておき機能強化は本物。iPad の tablet マーケット独占は揺るがなそう。
    • Safari に desktop-mode. これを "Desktop class experience" とか呼ぶ図太さは見習うべき。
    • Apple Pen の latency. 20ms -> 10ms はいいが prediction algorithm の改善による、とレイテンシ隠すのもカウントしちゃうのはどうなの?
    • ドキュメント/ページ全体のスクリーンショット取得からペンで注釈を OS レベルでサポート!これはすごいいいね。
    • Mac Pro, Cheese grater 復活! Apple 製品とは思えないでかさだが、人々が求めていたのはこれなのだろうね。Spec も Xeon 24 core + 1.5TB DRAM とかすごい。色々すごいが、にもかかわらず NVIDIA がないあたりマジでこじらせんてんな。
    • 画面6個並べられる・・・とか全体的に昔の SGI みたいになってきた Mac line. 心配になるが iOS 系列があるのでこっちは趣味路線でいいのかもしらん。
    • SwiftUI. High-level には Compose みたいなものと見ることができるが、レイヤリングはどうなのか。そしてこれを Marzipan (Catalyst) と微妙な距離感で持ってくるのは上手い。Document を見ると View がプロトコルで、そこもまたわかっている。OSS にはしなそうだが。
    • 以上。Apple developer は年に一回報われている。
    • 人々は登壇人物の diversity を評価しているようだが、workforce にしめる Asian/Indian の割合を考えると大して reflective でもないような。一人もいなかったよね?Cupertino は中国人がいっぱいいるおかげでで中華食材や bubble tea に事欠かない素晴らしい街だとご存知か。たぶんインド食材屋もいっぱいあるよ。まあアメリカ人的には Asian は雑に扱っていい race ぽいのでやむなし。別に迫害されてないからいいけど、どうにも白けてしまう。
  • Google Crowdsource のアプリがあると知る。こういう仕事、ちょっとやりたい。0.5M くらいユーザがいるらしい・・・。
  • SwiftUI. 基本的には全部自分で書いて UIViewControllerRepresentable という platform 固有の View に map するクラスを使ってホストするらしい。なるほど。Accessibility とかイベントとか全部実装しなおすわけか。Catalyst との関係がよくわからないが、Catalyst では既存の UIView ファミリは Mac 用に移植しつつ新しい UI component は SwiftUI にするのかな?それだと SwiftUI が UIView 置き換えになるくらい成熟してないと厳しそうだが。
  • Project Catalyst. 基本的には iPad アプリを Mac で動かせる。ただし "#if !targetEnvironment(UIKitForMac)" してもよい。なるほど。やはりこのレイヤでの Mac-i(Pad)OS convergence は過剰にがんばらず SwiftUI とか上のレイヤに期待ということか。しかしアプリというのは UI だけではないのだけれど、他の API はどのくらい互換なのかね。Mac 状で Electron を倒せればよしくらいの意気込みか。
  • 朝はよかったが、夕方が近づくとまだ体調が優れない。
  • ふと Apple の機械学習リサーチブログを再訪。今年入ってから更新ナシ。
  • Big Tech Shares Slide as Prospect of Antitrust Scrutiny Mounts - The New York Times
    • 給料・・・。